2019年に発売されたPinePhoneはManjaro ARMシステムをプリインストールしており、bootloaderのアンロックなどをせずに新しいシステムを書き込めます(いわゆるファームウェア書き換え)。
スマホ向けLinuxディストリビューションは多いので、ここではpostmarketOS (Alpine Linux)のインストールを例にします。ただしLinux系なら大半の手順は似ています。
1. PinePhoneの起動フロー#
PinePhoneのbootloaderはU-bootです。デフォルトではまずmicroSDカードから起動し、その次に内蔵ストレージ(eMMC)から起動します。現時点ではUSBデバイスからの起動には対応していません。
SDカードにインストールすると確実に遅くなりますが、システムを何度でも差し替えられるのが利点です。
2. システムをSDカードへインストール#
Linuxシステムの使用容量は通常3GBを超えませんが、今後の利用を考えるとSDカードは最低32GBは欲しいところです。
まずSDカードへ書き込めるツールを用意します。GUIツールならクロスプラットフォームのbalenaEtcherがあります。
PCがLinuxなら、DDコマンドを使うのが最速です。私のPC環境はUbuntu 22.04です。
まずpostmarketOS公式サイトからPinePhone用のシステムイメージファイル(Phoshインターフェース)をダウンロードします。

システムイメージファイル.xzを展開すると、.imgのイメージファイルが得られます。
xz --decompress 20220330-0453-postmarketOS-v21.12-phosh-17-pine64-pinephone.img.xzカードリーダーでSDカードをPCに挿します。Ubuntuなら自動でマウントされるはずです。
.imgイメージファイルのディレクトリで端末を開き、
lsblkコマンドでSDカードのマウントポイントを確認します。私の場合は/media/ivon/Sandisk32GBでした:
sdb 12:51 1 29.7G 0 disk /media/ivon/Sandisk32GB- SDカードをアンマウントします
umount /media/ivon/Sandisk32GB- 先ほど展開したシステムイメージファイルのディレクトリで端末を開き、システムを書き込みます。“if"がシステムイメージファイル、“of"が書き込み先のパスです。
sudo dd if=20220330-0453-postmarketOS-v21.12-phosh-17-pine64-pinephone.img of=/dev/sdc bs=4M status=progress conv=fsync- 書き込み完了後にSDカードを取り外し、PinePhoneに挿して起動します。これでPinePhoneを使い始められます。
3. システムをスマホ内蔵ストレージへインストール#
現在、スマホのeMMCへシステムをインストールする方法は2つあります。1つ目は"Tow-boot"で起動し、内部ストレージをSDカードのように見せてからPCに接続し、システムを書き込む方法です。
2つ目はSDカードから起動した後、ddコマンドでシステムイメージファイルを内部ストレージへ書き込む方法です。
3.1. Tow-Bootを使用#
Tow-bootを使うとスマホの内部ストレージをSDカードのように扱えます。PCに挿して、そのままSDカードとして書き込めばよいです。
3.2. SDカード起動後にシステムを書き込む#
SDカードで起動した後、スマホ上のブラウザで書き込みたいシステムイメージファイルをダウンロードします。この記事ならpostmarketOSです。
lsblkコマンドでeMMCのパスを確認します。通常は/dev/mmcblk2にあります。イメージファイルを展開し、ddコマンドで内部ストレージへ書き込みます。“of"がeMMCのパスです。
dd if=20220330-0453-postmarketOS-v21.12-phosh-17-pine64-pinephone.img of=/dev/mmcblk2 bs=1M status=progress4. マルチブート#
PinePhoneはデフォルトでSDカードから起動する特性があるため、デュアルブートやdistro hoppingがかなり簡単です。
SDカードと内部ストレージにそれぞれシステムを1つずつ入れ、SDカードの抜き差しでデュアルシステムを実現できます。
1枚のSDカードに複数のシステムを入れたい場合は、こちらを参照してください:User:Oogwaymaki/PinePhone Multiboot - PINE64 Wiki
5. システムをバックアップ#
暗号化していない限り、PinePhoneのシステムバックアップはかなり簡単です。
参照: PinePhone Backup
